『不条理を生き貫いて 34人の中国残留婦人たち』
(津成書院)を上梓して
藤沼 敏子
1.インターネットと書籍と両方で記録する意義
この本は、私のホームページ『アーカイブス 中国残留孤児・残留婦人の証言』
http://kikokusya.wixsite.com/kikokusya から生まれたものです。中国残留孤児・残留婦人等とその支援者、関係者の方々の協力を得て、2000年7月から2019年8月まで、200人前後の方にインタビューをさせていただきました。その中の中国残留婦人等(「中国残留邦人支援法」対象者。男性、サハリン残留邦人も含まれる。終戦時13歳以上だった方々)34人のインタビューをまとめたものです。
実は、1993年頃よりインタビューをはじめましたが、残念なことにビデオが古すぎてその頃のものはほとんどデジタル処理ができませんでした。また、十数人からはビデオの公開に同意が得られませんでした。しかしどうしても公開してほしいと諦めきれなかった方が、第19章の「孤児たちに慕われた代書屋さん」です。生前、本人がインターネットでの公開を強く望んでおりました。ご遺族と何度かの協議の上、個人が特定されないような小さな削除と変更をして掲載に至りました。インターネット公開されておりませんので、第19章だけは、インタビュー内容の真実性を検証することができません。
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