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  証言 ナさん残留婦人

2015年8月 北海道でサハリン残留邦人にインタビュー

インタビュー時89歳。山形生まれ。根室に引っ越した。
12人兄弟で一番上。兄弟の面倒を見て大きくなった。
19歳で南千島に徴用で行った。根室市長が若い人を集めて、「日本は男性の手がなくて忙しいから、南千島に行ってくれないか」と言われた。共同生活をしながら昆布を乾かす仕事をした。

いくらかの給料はあった。村長さんが日本は負けたと教えてくれた。ロシア人は親切だった。国家の命令で来たので、「帰れ」と言われなかったので帰れなかった。一緒に行った人は、食料不足で死んだ。南千島からサハリンに行く船はあったので、それに乗った。サハリンでは日本人がいなくて、独身でいると大変だったので、韓国人(日本で生まれたのだと思う)と結婚した。夫は洋服裁断士だった。子供は3人、大学まで出した。子供たちは皆サハリン、真岡(ホルムスク)に暮らす。日本とは文通もできなかった。父親が「帰って来い」という夢を見た。2008年永住帰国。母親は生きていて再会できた。弟たちにも会えた。夫はとてもいい人だった。

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